〖節税相談〗短期前払費用って？
社長から家賃を年払いすると全額経費になると聞いたのですか？とご相談がありました。
先生！
今期の業績が非常に順調でして、利益がそれなりに出そうなのです。
仲間内から家賃の年払いすると節税になるよと聞いたのですが、アドバイスをいただければと思います。
はい！
業績が好調で何よりです！
ご質問の家賃の年払いの件についてご回答をさせていただきます。
結論的には、家賃の年払いをすることによって経費になりますし、特段税務上問題もございません。
決算間近の節税方法として非常に有効です！
おー！よかったです！安心しました。
そうですね。
ただ、いくつか注意点がございます。
①支払いの対象期間が1年以内であること
②前払いで経費にできるものは限られます
詳しく教えていただけますでしょうか？
はい！
まずは、①支払いの対象期間が1年以内であることについてご説明をさせていただきます。
1年を超える期間のものを前払いした場合は、その支払額のうち翌期にかかるものはすべて経費として認められません。
例えば、2年分を一括払いをした場合は1年以内の分も含めて、その全額が経費とは認められずに、翌期の経費になってしまいます。
難しいですね。
この規定は短期前払費用という内容のものになります。
家賃などの年払い契約があるものについては、厳密に毎期ごとに経費に計上せずとも、課税をするうえでは大きな問題にはならないとし、支出時の経費とすることを認めているのです。
ですので、先程お伝えした2年分を当期の経費にすることは、この規定の趣旨にはそぐわないのです。
国税庁のHPのリンクはこちらになります。ご参考にしていただけると幸いです。
なるほどですね！
色々考えられてるのですね！
1年以内というキーワードの意味ですが。
仮に3月決算。今期の2月に翌期1年分(4月から3月分)の経費を前払いした場合。
一見、経費に認められそうですが、そうではないのです。
1年以内というのは支払ってから1年以内の分でないと経費にならないので、3月末に翌期1年分(4月から3月分)を支払えば経費に認められます。
そして、一度年払いをした場合はこの支払方法を継続をしていく必要がございます。
支払う時期は注意しないと危険ですね！
また、冒頭に節税効果があるとお伝えしましたが、この年払いによる節税効果があるのは初年度だけなのです。
次に②の前払いで経費にできるものについてご説明をさせていただきます。
家賃の他に保険料や支払利息は毎月継続して支払うものですので対象になります。
ですが、単発の広告費などは前払いをしても今期に経費にはなりません。
勉強になります！
次回のお打ち合わせの際に今回の内容について具体的に進めていきましょう！
承知いたしました。引き続きよろしくお願いいたします。本日はお忙しいところありがとうございました！
