実務で大切なこと②
前回に引き続き、私がこの業界で働いてみて、大切だ!と思ったこといくつか書いていきたいと思います。
顧問先からの質問の意図を汲み取る&知りたいことを探る
お客様との会話で、「この人は何が知りたいのか?」、「今の質問の意図はなんだろう?」と考える必要があると思います。
それらを踏まえて回答や提案をした結果、お客様に喜んでいただけたのであれば、それはニーズを満たせたということになります。
もし、お客様の知りたいことが分からない場合や意図が分からない場合は、素直に聞くのも一つだと思います。
無駄に自分で解釈をして、的外れな対応や回答をしてしまうのはNGです。
お客様には貴重な時間を取っていただいておりますので、そこは真剣勝負です。
積極的にアンテナを張ってニーズや痒いところに手が届く対応を心がけることが大切だと思います。
顧問先からの質問で分からないことは正直に伝える
お客様にもよりますが、税理士や税理士事務所の人はなんでも知っているからとりあえず聞いてみよう!という雰囲気がたまにあります。
税務だけでもすべてを理解することは難しいですが、そこに法務、労務、お客様の業界のことなど色々と最低限知るべきことが沢山あります。
昔は「知らないことについて質問をされたらどうしよう。」と不安に感じていました。
しかし、日々勉強をしていてもすべてを網羅的にカバーすることは難しいので、分からない質問は素直に「すみません。お調べして近日中にご回答をさせていただきます。」と伝えるようにしています。知ったかぶりは禁物です。
業界の内情や状況は顧問先から教えてもらう
お客様の数だけ業種はあります。私は転職経験があるもののずっとこの業界です。
例えばお客様が飲食店を経営されていて、私が過去に飲食店で働いた経験があるならば、踏み込んだ話が出来るのに!と感じたことは数知れず。
しかし、冷静に考えてどの業種も甘い世界ではありませんので、仮に私が10業種で働いた経験があったとしても、表面的な薄っぺらい内容でしかお話は出来ないと思います。
もちろん自分自身、お客様の業界のことを調べますが、そこは割り切って、業界のプロであるお客様に色々と教えていただいています。
それを繰り返すことによって業界のことに少しずつ精通していくことが出来ますし、お客様の悩みが見えてきます。
受験勉強と実務のすみ分け
税理士を目指し始めた当初は、実際に実務を経験していないので当たり前ではありますが、明確に仕事の内容が分かりませんでした。実務よりも受験勉強が先行していたので、その当時は知識があれば仕事はどうにかなると思っていました。
んー、浅はかでした。笑
実際に実務に就いてみると、受験勉強との違いを強く感じました。
受験勉強は会計科目・税法科目について体系的に知識を習得します。
一方、実務では受験勉強で習得した知識をお客様ごとにどのように落とし込むか+周辺知識の習得+伝え方・対応の仕方など色々な要素が必要となります。
もちろん、受験勉強での知識が無駄になるとは思いませんが、人間ですので実際に実務で使う機会がないと、特に細かい論点はどんどん忘れていきます。
実務に役立つ受験科目(仕事で遭遇する税目)を選択するとモチベーションにも繋がりますし、相乗効果が生まれると思います。
実務と受験勉強に共通している部分もありますが、実務はより広い視野を持つ必要があると感じます。