相続税の納付税額計算の流れって?
今回は相続税の納付税額の計算の流れについて記載していきます。
◆算出相続税額の計算
日本の相続税の課税方式は「遺産取得税方式」を採用しています。
この方式は被相続人から財産を取得した者がその取得した財産の価額に応じて税金を納付するという計算方法ですが、こちらの計算方法では、遺産の仮装分割を防止することが困難などの短所があります。
そこで、遺産分割の結果により相続税の負担が変動しないようにするために「法定相続分課税方式」を使用することとしています。
「法定相続分課税方式」とは、実際の財産の取得状況とは無関係に被相続人の法定相続人が法定相続分どおりに財産を取得したものとして、いったん相続人全員の相続税の総額を算出し、その総額を各人の課税価格の比によって案分をし、算出相続税額を計算するものです。なお、一定の者については、税負担の調整を図るために、算出相続税額に2割加算した金額を算出相続税額とします。
① 相続税の総額(各人の相続税額の合計額)
相続税の総額とは、被相続人から遺産を取得したすべての者の相続税額の合計額をいいます。その計算は実際の遺産の分割状況とは無関係に、被相続人の遺産を法定相続人が取得したものと仮定して行われます。
② 各相続人の算出相続税額(納付税額の基となる税額)
算出相続税額とは、相続税の総額に各相続人が取得した財産の割合をそれぞれ乗じて計算した金額をいいます。
課税価格の計算の流れ
納付税額の計算の流れ(上記の各人の相続税の課税価格を合計したものからスタートします)
◆納付すべき相続税額の計算
相続税では、原則として算出相続税額から財産取得者の生活保障や二重課税の排除等のため、一定の要件のもとに、6種類の税額控除があります。(上記の贈与税額控除(暦年分)~贈与税額控除(精算課税分)までのことです。