節税って?
私の業界に「節税」という言葉はつきものです。
保険に加入する。
材料を多めに購入する。
消耗品を購入する。
倒産防止共済に加入する。 etc…
数えきれないほど節税と言われている手法はあります。
そして、この「節税」という言葉を過大に考え過ぎることは、あまり良い方向に行かないと思います。
業績が好調で利益もしっかり出されている会社さんや個人事業主の方は、どうしても納める税金の金額も上がりますので、少しでも税金を抑えたいというお気持ちは分かります。
ただし、会社さんでも個人事業主の方でも利益を出して納税することが、一番の節税だと思います。
意外とこの点に気付かれていない社長や個人事業主の方は少ないように思います。
利益をなくすために、費用になるものにキャッシュを支払う。 確かに利益はゼロになりますが、利益を消すためにその分のお金が出ていきます。
結果的になくなった利益に係る税金よりも、支払ったキャッシュの方が多くなります。
キャッシュはとても大切です。
個人的には運転資金や設備投資資金の借入をして、現状の事業の拡大や将来事業へ投資をして、しっかりと利益を出して納税することの方がよっぽど節税だと思います。
意外とこの点に気付かれていない社長や個人事業主の方は少ないように思います。
黒字倒産も詰まるところ、資金繰りがうまくいかないことが原因で倒産をしてしまうのですから。
また、運転資金は固定費の3か月分があればとりあえず安心だ!と言われています。
ですので、私はお客様から節税したいんだけど!と言われても基本的には必要最低限のことしかお伝えしません。
会社を設立した目的、個人事業主を始めた目的は「節税」をするためでは ないと思います。漲る熱い想いや思考から、設立や独立をされた方が大半のはずです。
もちろん、お客様の意見や方向性も聞いた上ですが、個人的に「節税」に精を出している方とはあまり一緒にお仕事はしたくない印象です。
本末転倒のような気がします。
「節税」をする場合には、短期的なスパンよりも長期的に色々と方向性を聞きながら進めていく必要があるように思います。